金融フランス革命 2021 4 11
「業者か個人か」
2021年4月11日のヤフーニュースの「現代ビジネス」には、
千野剛司氏が興味深い記事を掲載していました。
この記事を読むと、「金融革命」と言っても、
「道半ば」、いや半分にも達していないかと思いました。
「証券取引所」(取引時間)
平日のみ(昼休みあり)。
個人は直接、取引所に口座を開設できず、
証券会社を通して取引を行う。
「仮想通貨取引所」(取引時間)
24時間365日取引可能。
個人が直接、取引所に口座を開設できる。
こうなると、遅かれ早かれ、
個人客は、株式市場から仮想通貨市場に流れてしまうでしょう。
最近、仮想通貨市場が活況を呈しているというニュースがありましたが、
個人にとっては、こういうメリットがあったからかもしれません。
時は、2003年、急速な金融改革を進める金融担当大臣の竹中平蔵氏に対して、
私は、このサイトで、何度も、このように書きました。
「あまりにも急ぎすぎる。
このような大改革は、10年ぐらいかけて、じっくり取り組むべきである」
あれから20年近く経過しましたが、金融業界は、旧態依然のままです。
結局、竹中平蔵氏のほうが正しかったのでしょうか。
金融業界は、古いというか伝統を重視します。
しかし、金融ITは、猛烈なスピードで進んでいます。
それでも、最新鋭の船は、足の遅い船に合わせる必要があるのか。
つまり、金融版の「護送船団方式」を続ける必要があるのか。
ここには、個人という顧客重視が欠けているのではないか。
やがて、個人が集団で反乱を起こして、金融版の「フランス革命」が起こる懸念があります。
一時期、金融業界は、「Fintech革命」と騒いでいましたが、
「Fintechとは、自分たちがいらなくなる革命だ」と気づいて、
Fintech革命と言わなくなりました。
これも、竹中平蔵氏が予想していました。
飛脚 2019 6 1
「飛脚」とは、信書や金銭、為替、貨物などを輸送する職業、
または、その職に従事する人のことである。
(ウィキペディアから引用)
時代劇のドラマで、飛脚は、よく見かけます。
さて、あれは、10年ぐらい前だったかもしれません。
私は、通販で商品を買って、
その中に入っていた払込票で代金を払うのを忘れてしまい、
後日、支払いを催促する手紙が来ました。
その手紙には、
「なるべくコンビニエンスストアで払ってくれ」という趣旨が書いてあったのです。
そこで、私は疑問に思ったのです。
「なぜ、銀行の窓口ではなく、コンビニエンスストアなのか」
それを私なりに調べてみると、
通販会社にとって、入金確認ができる日数が、
コンビニエンスストアのほうが圧倒的に早いからでした。
万が一、私が銀行の窓口に行って払ってしまうと、
通販会社が入金確認ができるのは、
少なくとも「4営業日」以上かかるのです。
私が推定するのに、銀行の窓口で払うと、
現金と払込票は、銀行間で専門の運送会社を使って、
やりとりしているのではないかと思われます。
これは、江戸時代の飛脚と似ています。
一方、コンビニエンスストアで払うと、
店員が払込票にあるバーコードをスキャンするので、
電子データが入金データとなって、
入金確認が早くできるということでしょう。
もちろん、江戸時代方式の銀行で払うか、
ハイテク装備のコンビニエンスストアで払うかは、
客の好みでしょうが、
通販会社の経理部門にとっては、
早く入金確認をしたいところでしょう。
ある雑誌で、中国企業の経営者が、こんなことを言っていました。
「日本企業は、伝統を守りたいという意識が強すぎる」
確かに、江戸時代から続く伝統を守りたいところでしょうが、
今や、世界は、「Fintech」の時代です。